爺の「唯之助とは何者じゃ」(11話)

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アシガール11話。

爺(天野信茂)が寝間で息子(信近)に問いかけるシーン。

 「どう思う?唯之助のことじゃ。返す返すも奇妙でならぬ。
  一国の総領が足軽ごときに命を懸けるとは尋常ではあるまい。
  なぜ若君は唯之助にそこまでして...唯之助とは何者じゃ」

アシラバの皆さんご存知のとおり、この言葉にたどり着くまでにはいくつもの伏線があります。

以下、爺目線で唯之助の行動をまとめてみました。

まず、アシガール2話でのかけくらべ。

唯之助はこれまで誰も悪丸に勝てなかったかけくらべに勝ちました。

残念ながら天野家の雇い人にはなれませんでしたが、少なくとも並外れた足の速さは爺の記憶に残ったはず。

唯之助はここで最初に爺に「若君様のお役に立ちたいんです!」と懇願してますね。

アシガール3話の戦の小荷駄組では活躍できませんでしたが、

 唯「なんでもやります。是非若君様の近くの足軽にしてください。近いところの」
 爺「お前のその心がけ、あっぱれ。儂の心に響いたぞ」

というやりとりで若君への忠誠心を伝えています。

それが伝わったのか、アシガール4話の戦では、爺の推挙で天野家で召し抱えることに。

ここで、秘密兵器・デンデン丸で敵陣を若君を守りながら突き切りました。

戦のあと、若君を出迎える場面で、

 爺「若君の馬を引き、高山勢を蹴散らして立木山までお守りした、とか」
 唯「はい!」
 爺「でかした。お前を召し抱えた儂の顔も立った。これより忠清様のお馬番とする!」

と、このあたりから爺の唯に対する扱いが変わってきます。

4つめは、アシガール7話で、負傷して行方不明になった若君を信じて待つ唯之助。

 唯「若君は帰ってきます!次の満月には必ず!」
 爺「満月?」
 唯「若君は絶対生きてる!誰よりも爺がそれを信じなくてどうするんですか!」

爺は、唯の若君に対する強い気持ちを持った言葉に絆(ほだ)され、切腹を先送りにします。

そして唯之助が言ったとおり、満月の晩(黒羽城に戻ったのは次の日でしたが)に若君は戻ってきます。

さらに、若君を助けたのが唯之助自身であったことも、若君が戻ってきたときに倒れた唯之助をみつけ、

 若君「これはなんとしたことだ!」
 家臣「高山と内通し、若君のお命を狙ったとの疑いで捕えましたでございます」
 若君「たわけ、唯の助の働きで儂はこうして生きておるのじゃ」

という言葉で明らかになります。

映像にはなっていませんが、若君が満月の夜に戻ってくることを信じて止まなかった唯之助、若君を助けた唯之助に、爺は何か不思議な力を感じたのではないでしょうか。

そして、アシガール10話で、阿湖姫と間違えられて高山に捕えられた唯之助を若君が助けに行ったことが、やがて爺の耳にも入ったのでしょう、冒頭の台詞につながります。