アシガール5話。
小平太がふきの歌を詠む場面。
「黒髪の 乱れも知らず 待つほどにー 日々匂うぞや 蠅の来たらんー」
このあと、若君が突然立ち上がり、出ていきますが、なぜ若君は出て行ったのでしょうか。
その理由。
この場面をみたとき、最初はふきの歌にうんざりしたのかと思ったのですが、違いますね。
立ち上がる前、若君は、声には出していないですが、
「あっ」
と、何か思い立ったような素振りで立ち上がります。
このあと若君は唯之助に会い、唯之助を連れて若君お気に入りの場所に行き、和議の話をします。
映像にはありませんが、この前に、成之が若君に和議に行くよう勧めています。
つまり、若君は唯之助に和議の話を聞いてほしかったのではないでしょうか。
下はその場面。
若君「高山とは和議を結ぶことになった」
唯之助「よかったー」
若君「あれほど羽木の領地を犯そうとしていた者らが
いとも易く和議に走るとは、いささか腑におちぬのだが」
唯之助「でも和議はしなくちゃダメですよ」
若君「そう思うか」
唯之助「思います。戦になったらまた誰かが死にます。
死んだらその人だけじゃなくて、悲しむ人が大勢増えます」
若君「お前ならそう申すと思っていた」
若君「和議にはわしが行く。兄上の勧めもあっての」
ちなみに唯之助はこのときまだ、成之が若君を殺そうとしていたことは知らなかったんですよね。
戦が当たり前の世の中で、争いを好まない若君。
でも、家臣にそんな若君の気持ちをわかってくれる人はおそらくいません。
忠高も和議を素直に受け入れようとしませんでした。
若君の、争いを好まない気持ちを分かってくれるのは、おそらく唯之助だけだったのでしょう。
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