若君が唯に「許せ」と言った本当の理由(7話)

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アシガール7話。

詮議(せんぎ)の場に現れた若君が、風邪をこじらせて意識が朦朧としている唯を抱き上げる場面。

 若君「唯、まさかこのような目に遭うていようとは...」
 唯「やだ、髪ベタベタなのに」
 若君「すまぬ...許せ...」

唯の平成女子的な返答に気をとられてしまいますが、若君は唯に「すまぬ」と言ったあと、「許せ」とさらに謝ってますよね。

他の回でも若君が唯に謝る場面がありますが、いずれも「すまぬ」としか告げません。

なぜ若君は、このときだけ「許せ」とあえて付け加えたのか。

その理由。

若君は、平成にタイムスリップして、唯の家族に会うまで、唯は同じ時代に生まれた「おもしろいおなご」としか思っていなかったはず。

5話での初デートでも、若君は唯を馬に乗せることはしませんでしたよね。

が、矢傷を負って平成にタイムスリップした若君は、唯之助が未来からやってきた女性であることを知ります。

しかも、唯は若君を守るために戦国にやってきたことを、尊から知ります。

だから、唯の妙な振る舞いや話し方も。

4話でふくに変装して「人はあんな風に殺し合っちゃいかんです」や「必ず守りますから」と言ったことも。

おなごなのに足軽として戦に出たことも。

おなごであることを隠していたことも。

若君が平成にタイムスリップしたことで、全て合点がいったと思います。

つまり、タイムスリップ前後で、若君の唯に対する態度は大きく変わったと思います。

だから、冒頭の場面のセリフの意味は、こうではないかと思うわけです。

若君が唯に「すまぬ」といったのは、唯が自分のせいで罪人扱いされていたことに対する謝罪。

そのあとに「許せ」と言ったのは、何も知らずに、唯を同じ世の下人として扱っていたことに対する謝罪ではないでしょうか。

もし「許せ」の前に何か言葉を付け加えるとすれば、こんな感じでしょうか。

「唯、お前がわしを守るために平成の世から来てくれたことも知らず...許せ」