成之の笑いの意味(10話)

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アシガール10話。

忠清との斬り合いの末、態勢を崩して久に庇われる成之。

 「わたしには、命を懸けてくれる母はいなかった」

といって、忠清は自分を刺そうとした久の脇差を、何の迷いもなく返します。

忠清が立ち去ったあと、成之は何かがふっきれたような笑み。

その笑みの理由を考えてみました。

この後から成之の態度が少しずつ変わっていきます。

母・久が城で暮らすことで、迂闊に手出しができなくなったというのもあるかもしれませんが。

それをおいても、忠清と剣を交えたことで気持ちが変わったことは間違いないでしょう。

以下、私の推測ですが。

忠清はこのとき、体勢を崩した成之や、脇差で刺されようとした久に、とどめを刺そうとはしませんでした。

それどころか、命がけで庇ってくれた母がいる兄を羨ましく思うような言葉。

さらに生きていることを黙っていた母も、城に連れていくという配慮。

この一連の行為に、成之は色々な意味で「忠清には叶わない」と感じたのではないでしょうか。

また、これまでの復讐は、成之の代わりに毒を飲んでしまった母の(羽木への恨みの)気持ちを汲んでいたこともあると思います。

その母も羽木城で暮らすことになり、羽木を追い出されたことによる恨みは一体何だったのだろうかと。

そして自分の行ってきたこれまでの行為に対し、自嘲する笑いではないかと感じました。