若君の「どうやらわしも、いやなのだ」(8話)

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アシガール8話。

唯が立ち去ったあと、若君が

「どうやらわしも...いやなのだ」

と、独り言をいう場面。

一体何がいやなのでしょうか。

その解説です。

この台詞の前、唯は、

 「それと...あとひとつ。わたし...若君が鐘ヶ江のところに行くのやだー。いやなのだー!」

と泣きながら、若君に自分の素直な気持ちを打ち明けますよね。

おわかりのとおり、若君の「いやなのだ」は、この唯の「いやなのだ」に応答しているものです。

同じ言い回しを使うということは、唯の台詞と同様、どこかに行くことがいやなのだと思います。

だから、例えば、

 「お前が泣くのを見るのはいやなのだ」

という意味でないことは明らかです。

若君は明日の満月の晩、唯が平成の世に帰ってしまうと、戦国に二度と戻ってこれないことを尊から聞いています。

つまり、若君は唯が平成に行ってしまうことに対して

 「いやなのだ」

と言っているのです。

ということで、

 「どうやらわしも...、いやなのだ」

の、ため息まじりにちょっと間を空けた「...」の部分に言葉をいれるとすれば、

 「どうやらわしも、お前が平成の世に行く(そして二度と戻ってこれなくなる)のは、いやなのだ」

ということになりますね。

もちろん、兄上の部屋に抱えられて連れて行かれたことも嫌だったのかもしれません。