アシガール9話。
唯之助が戦国に戻ってきたあと、おふくろ様が小平太にこう告げます。
「一つ頼みがあります。唯之助が戻ったことを、
決して若君に言うてはなりませぬ。
阿湖姫様との婚礼が終わるまでは」
おふくろ様は、唯之助が「おなご」であることを、唯の助が梅谷村にきたときから知っています。
唯之助の若君に対する気持ちも。
さらに、若君が唯之助のことを想っていることも知っています。
だから、唯之助が戻ってきたことを、もし婚礼前に若君が知ったら、若君の心が揺れてしまうことを分かっていたのでしょう。
でも、小平太は唯之助がおなごであることを知りませんし、若君が唯之助のことを好きだということも知りません。
知っているのは、若君が「ふき」に会いたいと思っていたことくらいでしょう。
なので、何も知らない小平太が、おふくろ様の頼みに対し、
「婚礼が何か?」
と返しました。
唯之助は小僧なのに、なぜ戻ってきたことを若君に報せてはならないのか、と疑問に思ったのでしょう。
さすがのおふくろ様も、小平太のこの返しにはドキッとしてますね。
このあと、
「ああ、いえ。落ち着きのない子ゆえ、婚礼を騒がせてはと」
は、頭の回転の速いおふくろ様の、機転の利いた返答でしたね。
コメント