アシガール8話。
唯之助が一晩考えて、決心しておふくろ様にお屋敷を出ていくことを伝える場面。
唯之助「若君様のお役に立ってるつもりでこれまで頑張ってきたけど、
お城には阿湖姫も鐘ヶ江もいるし、若君には『いらん』って
はっきりいわれちゃったし。だからもういいんです。~(中略)~
でも...これだけは分かってください。
私、本当に心の底から若君様のことを思って、その事だけは...」
おふくろ様「たわけ!若君に何を言われたか分からぬか?
お前のたわけはまこと極まっておるな」
というやりとりがあります。
このおふくろ様の「何を言われたか分からぬか?」の意味について。
(注:音声は「~分からぬが、」に聞こえるのですが、字幕では「分からぬか?」になっています)
おふくろ様が唯之助にこう訊くのには理由があります。
このやりとりの前の日、いなくなった唯之助を探しに、若君が唯之助の文を持って、おふくろ様のところに行きます。
そのあと、小平太パパがやってきて、唯之助が酔って兄上さんに抱えられて連れて行かれたことを告げます。
それを聞いた若君、慌てて成之の所に走って行きましたよね。
おふくろ様は、この若君の姿を見て、若君が唯之助に好意をもっているか、仮にそうでなくてもかなり案じていると気づいたのではないでしょうか。
普段あれほど冷静沈着な若君が、相当慌てた姿を見せましたからね。
だから、唯之助が「若君に『いらん』てはっきりいわれちゃった」の言葉に、おふくろ様は唯之助が若君の本心に気がついてないと思ったのではないでしょうか。
若君はなにか理由があって、そのようなことを言ったのだろうと。
本当に必要ないという意味ではなく、若君が唯之助にやきもちを妬いて怒ったのか、あるいは心配して怒ったのだと。
そのようにおふくろ様は察したのではないでしょうか。
だから、そのあとの、おふくろ様の、
「今、私に言うたことをなぜ若君に言わぬ...」
という言葉につながるわけです。
若君も、唯之助の本心を待っているということですね。
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